交野市の妙見山麓に広がる自然豊かな住宅街に建つ、築35年を超える木造住宅のリノベーションです。家族構成やコストを考慮し、建物の構成を大幅に変えることはぜず、その分、コンパクトだったLDKと水廻りの面積を広げ、注意深く古い建物の中心に入れ直す設計にしています。刷新したLDKと水廻り以外の和室や広縁、玄関は昭和ノスタルジックな空間そのままにし、一部階段ホールやWICは古い構造を現にしています。昔の雰囲気を残した和室はDIYで左官を塗り直すことで、つくりはそのまま、新しい施主好みに更新しています。手を加えたLDKやホールとこれら古い部分を対峙させることで、新しさを引き立たせるとともに、新築では獲得出来ない深みのある空間を実現しています。
撮影/Sasakura Yohei