大阪府池田市に建つ事務所ビルの計画です。敷地は池田市栄本町の旧街道沿いにあり、周辺には酒蔵やお寺などが立ち並ぶ古い街並みの残るエリアです。天空率により最大限建てられる8階建てのボリュームに、1フロア1室のオフィスビルを計画しました。敷地自体が小さく、柱型や梁型を持つ構造とすると内部空間が狭くなり、事務所としての使いづらさが問題になりました。そこで通常は壁式構造は5階までが上限ですが、「ハイウォール工法」を採用し8階建の壁式構造とすることですっきりとした内部空間とし、有効面積を最大限確保しています。
角地に建つビルでは外壁面に開口部を広く取れますが、大きなガラス面にするのではなく、同じ大きさの窓を南面と西面に5つ連続させ、ガラス面とコンクリート躯体で規則性のあるファサードを構成し視認性を高めています。ガラス面は外壁面よりも内側に落とし込むことで影を落とし、立体感を強調しています。さらにL型のスチール庇をガラス面に取り付け、窓の奥行き感をより演出しています。
撮影/Sasakura Yohei