House

Y-house 千里山の家

千里山の閑静な住宅街に建つ専用住宅です。このエリアは吹田市の風地地区に指定されており、厳しい壁面後退、北側斜線による高さ規制、緑化規制により良好な住居環境を歴史的に保っています。この規制の中で、建ぺい率および容積率を最大限確保するために駐車場を建築基準法上の地階に設定しています。これは地階が建ぺい率の対象にならないことを利用したボリュームの設定です。さらに1階は駐車場の上部の屋根を外し、テラス空間とすることで容積率および建ぺい率を最大限活用しています。1階は大きな吹抜けのあるワンルームのLDK、2階は寝室とサニタリールームとしています。構造はRC造壁式構造を採用し、コンクリートの壁板とスラブ板で構成する出っ張りのないシンプルな箱形状としています。リビングの前には外部からの視線を遮る囲われたテラスを用意し、リビングと寝室に採光と視線の抜けを確保しています。コンクリートの質感を天井面と内壁に一部現し、床はタイル貼りとすることで、シンプルかつモダンな住空間が生まれました。

ファサード。杉板型枠打放コンクリートと吹付塗装のボックスがズレてボリュームを構成しています。
玄関からは2階へと上がる階段が見えます。
LDK
LDKからは吹抜け空間にコンクリートの片持ち階段が見えます。
壁に囲まれた外部テラスとLDK
階段と吹抜け空間にはトップライトから柔らかい採光が差し込みます。
外部テラス
寝室も外部テラスに面しており、採光と通風を確保しています。

撮影/Yamada Keishiro